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オールディーズ (Oldies) とは、
主に1950年代~1960年代にヒットしたアメリカやイギリスなどの英語圏のポピュラー音楽のことを指す。

「オールディーズ・バット・グッディーズ/OLDIES BUT GOODIES」という言葉が誕生したのは、
1961年のアメリカにて、それ以前のヒット曲を詰め込んだ、
「オリジナル・サウンド・レコード」編集による「OLDIES BUT GOODIES」という、
コンピレーション・アルバムがリリースされたのがきっかけであった。

このアルバム・シリーズは、当時大ヒットとなり、
全米に最初の「オールディーズ」リバイバル・ブームを巻き起こした。

そうした最中、
「オールディーズ・バット・グッディーズ/OLDIES BUT GOODIES」⇔「古いけど良い音楽」
という言葉は略され、「オールディーズ音楽/OLDIES MUSIC」と呼ばれるようになり、
1950年代前半から1960年代前半までの音楽の事を指し示すようになっていった。

このコンピレーション・アルバムには、多くのドゥーワップ・ナンバーが収録されており、
同時にドゥーワップ・リバイバル・ブームをも巻き起こした。

このブームを象徴するかのようなヒット曲で有名な物には、
『リトル・シーザー&ザ・ロマンズ/LITTLE CAESAR & THE ROMANS』による、
1961年3月のヒット曲『THOSE OLDIES BUT GOODIES 』や、
『アンソニー&ザ・ソフォモアーズ/Anthony & The Sophomores』による
1963年2月のヒット曲『PLAY THOSE OLDIES,MR.DEE JAY』などがある。

日本国内で『オールディーズ』という言葉が使われだしたのは、
1973年のアメリカ映画『アメリカン・グラフィティ』以降である。
この後、これとよく似た映画が増え『オールディーズ』という言葉自体が、
「50年代~60年代の古い音楽」を指すいち音楽ジャンルとして定着していった。

近年では各地にこういった曲を生演奏する「ケントス」や「キャロルハウス」などといった店もある。
また、20代~30代の若者の間では、クラブやライブ・ハウスなどにおいて、
夜な夜なオールディーズ音楽専門のDJがかけるレコードの曲に合わせ、
踊ったり聴いて楽しんだりする遊び方も定着していっている。
オールディーズ専門のレコード/CD店なども存在する。

欧米ではオールディーズの楽曲をテーマ、或いは重要なモチーフとした書籍・映画が近年多い。
『スタンド・バイ・ミー』、『ブルーベルベット』、『クライング・ゲーム』(男が女を愛する時)など。

フィル・フィリップスの1959年のヒット「シー・オブ・ラブ」は、
先にロックバンド・ハニードリッパーズが1985年にヒットさせた後、
1989年にこれを主題歌とする映画『シー・オブ・ラブ』が製作された。
また世界的に大ヒットした『ゴースト/ニューヨークの幻』に使われた「アンチェインド・メロディ」は、
ライチャス・ブラザーズの曲の中では「ひき潮」の方が知名度は高かったが、
映画に使われたことでこちらの方が有名になった。

またこれらの音楽の愛好家には、特に熱心な収集家が多い。
こうしたファンは当時のヒット曲のオリジナル盤や、
誰もしらないようなマニアックな曲などを探し、収集している。

コレクターとして知られる日本の著名人では、
大滝詠一、山下達郎、萩原健太、鈴木雅之、武内享らが有名。
言うまでもなく彼らは仕事にそれを活かしている。

1950年代から1960年代頃の英語圏のポップス
(ポピュラーミュージック)は全て『オールディーズ』といえるが、
前述のようにこれを好きな人はコレクター的な人が多いためザ・ビートルズのようなあまりにもメジャーな人達は、
オールディーズという感覚は薄い。

また、どちらかといえばアメリカのポップスのイメージがあるので、
エルヴィス・プレスリーはメジャーだが入るかなという感覚である。

代表するアーティストというのは無く、
総じてこの時代のシンプルでメロディの心地よい曲、全般を『オールディーズ』と呼ぶ感じである。

範囲もあまりに広く定義しにくいが、ポール・アンカやコニー・フランシス、
リトル・エヴァ、モンキーズなどの王道歌手の他、ビル・ヘイリーやチャック・ベリーらのロックンロール、
サム・クックらのソウルミュージック、ビーチ・ボーイズらのウエスト・コーストサウンド、
スプリームスらモータウン、マーヴェレッツらガールズグループ、
フィラデルフィアサウンド、バブルガムサウンド、
スペンサー・ディヴィス・グループらビートルズほど売れなかったイギリスのロックグループなどである。

日本ではシルヴィ・ヴァルタンなど英語圏以外のアーティストも含める。
ちなみにオールディーズは広義では1970年代、1980年代の音楽を含めることもある。
また、最も狭義ではロックンロール誕生からビートルズヒット前(1955年~1963年頃)までの音楽をさす。

最近出てきた若い愛好家の間では、
「ヴィンテージ音楽/VINTAGE MUSIC」などという新しい呼ばれ方をし、
アンダー・グラウンドなシーンでの、「オールディーズ音楽」という存在は、実に活況に満ちている。
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