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テクノ(英: Techno)は、アメリカのミシガン州デトロイトを発祥とするエレクトロニック・ダンス・ミュージックである。

テクノはシカゴ・ハウスの影響を通じて生まれてきた。もともとハウス・ミュージックにはあまり存在していなかった電子音を押し出していたホアン・アトキンスの一連の作品を除いては、音楽的にハウス・ミュージックの範疇から外れることはなかったといわれる。それが区別されるようになったのは、なによりイギリスのレコード会社と契約した後のマーケティング戦略の力であった。しかし現在、テクノとハウス・ミュージックとを音で比較した場合、テクノと呼ばれる音楽のほうがより速くハードに聴こえる。これはこの音楽が広くテクノと呼ばれるようになった1988年以降の出来事によるものである。

1990年、ヨーロッパでレイヴが続いていたころ、より刺激的な音を持つテクノとみなされたレコード、代表的なところではニューヨークのジョーイ・ベルトラムによる「エナジー・フラッシュ」(英:Energy Flash)やアンダーグラウンド・レジスタンス(UR)の作品などが続けざまに発売されヨーロッパへ流れ込み大きな衝撃を持って迎えられた。今一般にテクノと言われる音が方向付けられたのはこのあたりであるとされている。

1992年、こうしたいわゆるヨーロッパのレイヴ後に登場しテクノの特徴をさらに推し進めたものとしてハードミニマルがある。その代表的なアーティストとしてはジェフ・ミルズの名が挙げられる。彼もまた他のデトロイトのアーティストと同じくヨーロッパにDJのため回っていた一人であり、ハードテクノでヨーロッパに影響を与えていたURの元一員でもあった。「それまでほとんどミニマルと呼ばれる音楽は聴いたことがなかった」と語る彼は、DJプレイを続けているうちにこのスタイルにたどり着いたという。極端に音数を減らした自身の曲を多用しながら、ほとんど暴力的にも聴こえる4つ打ちやパーカッションのみで構成されたレコードを次々と切り替えてDJを行うスタイルは大きなインパクトを与え、その楽曲は多くの追従者を生み出した。

その後もこういったダンス・ミュージックがかけられる場の人々の欲するままに、ラテンの雰囲気を取り入れたり、また楽曲のPC作成が進み、より複雑な音のサンプリングの切り貼りが強調されたり、さらにはミニマルが洗練される方向に進むなど、さまざまな要素を取り込みながら試行錯誤を繰り返しつつ現在へと至るのである。 .