Progressive rock | ja

プログレッシブ・ロック(英語:progressive rock)は、
1960年代後半のイギリスに現れたロックのジャンル・スタイルの一つ。

日本に於ける一般的な略称は「プログレ」。
70年代のみにとどまらず、現在もそのスタイルの拡散・細分化が進んでおり、
一口には説明のしにくいジャンルである。

ロックの表現方法が多様化する流れのなか、
それまでのシングル用の曲作りから大幅に踏み出した製作姿勢をもつバンドを総称した呼び方である。

ロックというジャンルにとらわれることなく、他ジャンルの影響を反映した、
前衛的あるいは先進的(プログレッシブ)・実験的な音楽といえる。

クラシックやジャズなど、その音楽のアプローチや演奏法にとどまらず、精神までも取り込もうとしていた。
しかし軸足はあくまでロックの側にあり、
progressiveという形容は「ロックとして」先進的であるという認識が正しい。

その為後述するように、精神性や技術力が著しく高く、
文字通りプログレッシヴな音楽を志向しているミュージシャンが、
ロックの要素が薄いためにこの定義に含められないこともままある。

プログレッシブ・ロックという言葉は、
当時、東芝音楽工業のピンク・フロイドの宣伝担当ディレクターであった石坂敬一が、
従来のロックとは異色であるピンク・フロイドの音楽を形容するために考案したものといわれている。

現在 "progressive rock" は英語でも普通に使われている言葉である。省略形は "prog-rock"。

1970年発売の同バンドのアルバム『原子心母/Atom Heart Mother』のタスキに、
「ピンク・フロイドの道はプログレッシヴ・ロックの道なり!」というコピーが掲げられている。
これがおそらく、日本で(または世界で)「プログレッシヴ(ブ)・ロック」という言葉が使われた最初の例である。

「アート・ロック」や「ニュー・ロック」、あるいは「シンフォニック・ロック」と呼ばれる場合があるが、
それぞれ微妙な差異を持ち、
あるいはそれらをプログレッシヴ・ロックの一派に含めることもある。

また、「ユーロロック」と呼ばれることがあるが、
その理由はイタリア・フランス・オランダ・ドイツに有力なバンドが存在していたためであり、
創作の姿勢や演奏形態を表しているわけではない。
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