Melvins | ja

メルヴィンズ(Melvins)はアメリカ合衆国出身のロックバンド。長年、トリオ編成で活動していたが、2006年からは2人のドラマーを擁する4ピースバンドとして活動している。また、ライブでは時折、サイド・ギタリストを迎え入れる。

バンド名はオズボーンが従業員として働いていたモンテサノ市にあるThriftwayというスーパーのスーパーヴァイザーの名前に由来。その"Melvin"は他の従業員から非常に軽蔑されていて、バンドのメンバーも程よく馬鹿げた名前になると感じ取って、これを取って命名した。

メルヴィンズは1980年初頭、バズ・オズボーン、マット・ルーキン、マイク・ディラードの三人が通っていたワシントン州モンテサノ市にある高校で結成された。結成当初はザ・フー（The Who）やジミ・ヘンドリックス（Jimi Hendrix）のカヴァーをしていて、次第に高速なハードコア・パンクを演奏し始めるようになった。ディラードの脱退後、デイル・クローヴァーが参加した際に、バンドは練習の場をワシントン州アバディーン市にあるクローヴァーの実家の奥の部屋に移した。その後すぐに、彼らは他の誰よりも遅くて"重い"曲を演奏し始めた。

当時、アバディーンに住んでいたカート・コバーンはクローヴァーの良き友人であると同時に熱狂的なメルヴィンズのファンであり、コンサートに何回か機材を運ぶローディーとして参加している。また、カートはベーシストとしてメルヴィンズのオーディションに受けたこともあるが、緊張し過ぎて、すべての曲を忘れてしまったことにより不合格となっている。その後もカートはバンドとの関係を続け、メルヴィンズのメジャーデビューアルバム、『Houdini』の"Sky Pup"ではギターを、"Spread Eagle Beagle"ではパーカッションを演奏し、プロデュースも行なった。

ブラック・フラッグ（Black Flag）の"My War"時代の攻撃的なパンクロック／ハードコア・パンクと、スワンズ(SWANS)やフリッパー(FLIPPER)のようなノー・ウェイヴ的なノイズ・ロックからの影響が見られ、広義のヘヴィ・ロック、スラッジ・コア（広義のストーナーロック）に相似のアプローチをとる。しかし音楽に対しての彼らの特異な取り組みや、「Prick」や「Colossus of Destiny」などの作品に代表される悪ふざけ的でもあるユーモアにあふれた実験音楽的なアプローチは、特定のジャンルに分類することは難しい。バズ・オズボーンは彼らがよく比較されるブラック・サバス（black sabbath）よりもブラック・フラッグのギターにより影響されていると明言している。非常に鈍重なテンポで引きずるようなタメを効かせたスラッジーなサウンドはシアトルを中心としたグランジのシーンに多大な影響を与えた。特にニルヴァーナ（nirvana）やサウンドガーデン（soundgarden）などといった後にメインストリームを席巻するバンドに影響を垣間見ることができ、間接的にはグランジの産みの親と言っても過言ではない。他にもトゥール（tool）、クロウバー（crowbar）、マストドン（Mastodon）、アイヘイトゴッド（Eyehategod）など、広いヘヴィ・ロックシーンにまで影響を与えており、日本のスラッジメタルバンド、BORISはメルヴィンズのアルバムの収録曲"Boris"に由来する。

現在のメンバー
* バズ・オズボーン – ギター、ボーカル (1983–現在)
* デイル・クローバー – ドラム、ボーカル (1984–現在)
* ジャレド・ウォーレン – ベース、ボーカル (2006–現在)
* コーディー・ウィリス – ドラム、ボーカル (2006–現在)

元メンバー
* マイク・ディラード – ドラム (1983–1984, 2008–2009)
* マット・ルーキン – ベース (1983–1987)
* ローリ・ブラック – ベース (1987–1991, 1992–1993)
* ジョー・プレストン – ベース (1991–1992)
* マーク・ドゥートラム – ベース、ギター (1993–1998)
* ケヴィン・ラトマニス – ベース (1998–2005)

サポートおよびツアーメンバー
* トム・フリン – ベース (1990)
* デイヴ・サイダック – ベース (1993)
* デイヴィド・スコット・ストーン – ギター、ベース (1997–2005)
* アダム・ジョーンズ – ギター、ベース (1998, 2002, 2004, 2005, 2008)
* ジェロ・ビアフラ – ボーカル (2004–2005, 2008)
* トレヴァー・ダン – ベース、ボーカル (2005–2009) .